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人生の大切なことは全て暁星国際の寮で学びました。第2回

辻写真①

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辻村 健(暁星国際学園11期生)

「起床・起床,おはようございます・・・」。この放送から始まる寮生活の一日。あの山奥にそびえ立つ白亜の建物群の中で、同じ環境に放り込まれた友人達と共に成長した日々。6年間の寮生活で得た経験が、現在の私に大いに影響を与えていることに疑いの余地はありません。今回、寄稿の機会を頂戴し、幾つかの思い出をご紹介させて頂くと共に入寮をご検討されていらっしゃる方のご参考になれば幸いです。

まず日常生活。楽しいの一言に尽きます。これ以外の言葉が思い浮かびません。むしろ一定の決められたルールの中で、いかに楽しいことを見つけられるか?が、正しいかもしれません。お風呂掃除当番の時ですら、誰もいない湯船にシャンプー類を注ぎ込み泡風呂作りをしたり(もちろん全ての泡が消えるまで掃除しました)、裏山から竹を運んできて流しそうめんをしたり(時効です)。起床から就寝するまで友人達と大いにアイデアを膨らませて日々を刺激的に過ごすと共に、知らず知らずのうちに置かれた環境でエンジョイする能力が身に付いた気がします。今でもきっと今なりに、在校生たちはルールの中で楽しみを見つけているはずです。
また好きなスポーツや趣味にも燃えて取り組むこともできました。私はテニス部に所属していましたが、歩きながら素振りする友人もいれば(彼は教室でもラケットを握って素振り。サーブの素振りで蛍光灯を割ってしまい先生に激怒されていました)、私も休日の朝は4時半に仲間と一緒に起きてテニスコート争奪戦に参加していました。あの暗闇の中を友人と明るくなるまで待ってテニスに励んでいた日々は今でも鮮明に思い出せますし、当たり前のように好きなスポーツに打ち込める恵まれた環境は他校で経験できないことでしょう。おかげで大学時代も体育会の硬式庭球部で大いにテニスに勤しみ、このテニスを通じて得た人脈は社会人になってからも様々な場面で大いに助けになっています。
そして勉強面。このことについて私は偉そうに語ることは出来ませんが、振返ると毎晩の自習時間は非常に有益でした。本人の意思とは関係なく自習時間になると強制的に時間を決められて机に向かう生活。もちろん勉強は二の次で机に本を立てて隠れて好きな小説を読む友人も。中学生の頃は本格的に勉強している生徒の方が少なかったのかもしれませんが、この「机に向かう(強制的な)習慣」を身に付けたことは、高校生活最後の受験勉強追い込み時にも社会人になってからの資格取得等のタイミングにも何かの折につけて大変役立っています。
寮生活を検討されている方のためには、食事面についても触れる必要がありますね。正直、ご家庭の愛情溢れる食事に比べれば寮の食事が美味しいとは言えないかもしれません。私は秋刀魚の塩焼き以外はそれなりに大丈夫でしたが、その苦手なメニューの際は自動販売機でカップラーメンを購入して食堂に持参していました。カップラーメンをおかずにして白米を食べられるようにもなれますし、ラー油と醤油をご飯に掛けて食するなど(「ラー油ご飯」って食べ物ですね)、いつでも極貧生活を耐え抜けるような技術を身につけることも出来ます(笑)。いずれにしても、栄養士の方々がしっかり衛生面も栄養面も管理して下さっていますので心配ありません。みんなと一緒にワイワイ食べる食事の味は今思え返せば、これ以上の美味しさはないほど格別です。

最後に。寮生活を通じて得ることの出来る一番の財産は「同じ釜の飯」を食べた唯一無二の友人達で、それは何にも変えがたい一生の財産となります。同級生に限らず先輩・後輩も含めた独特の関係の濃さ。社会に出てからもお互いに大いに刺激を受けながら、今でも「暁星国際」の強固な繋がりは脈々と続いています。
もちろん誰しも寮生活には不安を覚えると思いますが、そこには飛び込むだけの価値があると信じます。是非、勇気を出して暁星国際の門戸を叩いて頂き、「暁国ファミリー」の仲間入りをお勧めしたいと思います。

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