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小論文コンクール校内作品をご紹介します。

「ベネッセ環境小論文コンクール」(二〇二一年度)を活用した高校一年生の取り組み

暁星国際学園高等学校国語科編

「ベネッセ環境小論文コンクール」課題

家、学校、地域な どあなたの身の回りで、地球や生物に負荷をかけていると思う問題を挙げ、○○の立場から、その問題の解決策を提案しなさい。その際、その解決策が有効だと思う理由も述べなさい。

○○には、あなたの設定したい立場を自由に入れなさい。

例 環境大臣、企業の社長、教師など

審査基準 論文の「独創性」「論理性」「提案の有効性」「設定した立場との整合性」を判断して審査します。

(ベネッセHPより)

校内作品1

おいしい給食で変える飢餓問題

 今も11人に1人は飢餓に苦しんでいる。しかし世界中全ての人たちが十分に食べられるだけの食べ物は生産されている。私はこの事実を聞いたとき、すごく驚いた。私たちが大きく関わっている飢餓問題の原因は食品ロスだ。食べ物が行き渡っている地域で大量の食料が捨てられている。しかも残飯を処理するためには温室効果ガスが排出される。地球温暖化は進み、飢餓が起きている発展途上国の農作物に大きな被害を与えている。

 私はこの問題に対して学校栄養士となり、おいしい給食で残飯0を目標に、活動していきたい。まず生徒やその家族に対して講座を開く。残さず食べることは健康に良く、地球や世界のためになることを伝える。実際、なぜ残したらいけないのか知らない人はたくさんいると思う。一度知れば気軽に残したり、大量に余ることが減るはずだ。それに家族も対象とすることで家庭での残飯も減らすことが出来ると思う。次に給食が毎日どのくらい余ったかを記録し、量をできる限り調節する。例えば、魚がたくさん余ったならば調理師と連携し臭みを無くす工夫をする。さらに月1回リクエスト給食をつくる。生徒、先生に好きな給食のアンケートを取り、1学年ごとに人気だったものを栄養を考えたうえで給食にする。月に1回選んだ給食が出てくるとその日が楽しみとなり、その日の給食が残ることもほとんど無くなると考える。このようにして食べやすくおいしい給食をつくり楽しく食べてもらうことで残飯は減っていくと思う。

 飢餓問題はSDGsでも掲げられている。世界的な問題に、ある地域だけ活動しても解決しないかもしれない。しかし活動をきっかけに認知度が上がり一人一人の意識が変われば問題解決へと近づくはずだ。世界的に意識が変わり、飢餓で苦しむ人がいなくなることを願う。

校内作品2

【森林を守るためにできること】

 私たち人間は生まれた瞬間から呼吸をしている。私たちが吸っている地球上の酸素の80%はアマゾンの森林が生み出している。近年、一週間に東京都とほぼ同じ面積のアマゾンの森林が伐採されている。それは、紙の原材料として利用するための過剰な伐採などが行われているからである。2020年7月から日本ではプラスチックゴミを減らす取り組みとして、レジ袋の有料化が行われた。その際、ビニール袋の代わりに紙袋が使用されることがある。また、エコな取り組みとして食品企業などが、弁当容器やお菓子の外袋、ストローなどを紙製にしている。しかしこれらは、プラスチックゴミの削減にはなっているが、これまで以上に紙の原材料が必要であり、森林伐採を行わなければいけない。アマゾンの森林伐採が与える影響とは気候変動や地球温暖化などである。森林が失われると空気中にある二酸化炭素の吸収ができなくなり、これらの問題が助長される。

 そこで私は大人気YouTuberの立場から、アマゾンの森林だった土地を買い取り、栽培用の森林をつくる動画を配信する。具体的には、土地を買うには多額の費用がかかるのでクラウドファンディングで資金を調達し、栽培用の森林をつくるところもYouTube。加えて、現在の地球の状態や森林破壊とはどのようなものなのかを視聴者に伝える。その後木が成長してきたら、企業に木を売り、その費用でまた植林していくという、持続可能な森林を作る。

 環境問題に対して、関心を持つ人は増えてきたが行動を起こすことは難しい。しかし、現代社会ではSNSが発達し、誰でも情報を拡散することができる。一人の行動が大勢の人に影響を与えれば、集団となって行動を起こしやすくなると私は考える。

校内作品3

 現在、世界では地球温暖化が問題視されている。その中でも私は食品の問題に目を向けている。

 食品に関する地球温暖化現象は食品ロスを廃棄したときに出る二酸化炭素などが原因である。日本の家庭系食品ロスの量は年間二百六十七万tになっていて、一人あたりの一年間の食品ロス量は約四十七㎏にもなっている。一般家庭から出る家庭系廃棄物は、ほとんどが焼却や埋め立てされている。

 そこで私はスーパーの店長の立場から、食品に関する地球温暖化現象の対策をしようと考える。例えば、買い物に来る客に、賞味期限順に並んでいる食品を奥からとらずに手前からとってもらったり、賞味期限の近い値引きされた商品を買ってもらったり、見た目が少し悪くても中身が食べられるようなら買ってもらう工夫をして、店内アナウンスをかけることで食品ロスを減らすことができる。他にも、ご飯を作る人が一度の料理で食べきれない量を作らないように店のホームページを作って、一度の食事に適量なメニューを載せたり、生ものなどの日持ちしない食材の保存方法を教えたりすることで食品ロスについてたくさんの人に理解してもらえるようにする。

 現在では、インターネットを使う人が増えてきているので、インターネットを通して食品ロスについて詳しく説明し、食品ロスからなる地球温暖化を多くの人に理解してもらい、すべての人が少しずつ食品ロスを減らしていけば地球温暖化の進行を遅らせられるようになると思う。

 二〇一四年のIPCC第五次評価報告書では、このままでは最悪の場合二一〇〇年の平均気温は、最大四.八度上昇すると発表されたが、食品ロスを減らして未来にも住みよい地球を守りたい。

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