前回の質問にたいする答えは以下のようになります。
「過去形」表現の2つの対立軸
①「時間軸」→「事実」を前提に「現在のこと」と「過去のこと」という対立軸
(私たちが通常考える「現在」と「過去」)
★「現在形」(例)「私は毎日散歩する」→「現在の事実」なので「現在形」で表現
★「過去形」(例)「昨晩はステーキを食べた」
→「過去の事実」であって「現在の事実」ではない(現在の反事実)ので、「過去形」
で表現する。
②「事実軸」→「現在」を前提に「事実」と「反事実」という対立軸
★「直説法現在」(例)「私は彼の住所を知らないので、手紙を書けない」
→「事実」をそのまま述べているので、現在形で表現。
★「仮定法過去」(例)「私は彼の住所を知っていれば、手紙を書けるのに」
→「事実」とは異なりその反対のことを述べている(現在の反事実)ので、過去形で表現する。
このように、そもそも「現在形」で表現できる領域と「過去形」で表現できる領域をその根本から理解すれば、「なぜ現在のことを過去形で表現するのか」も納得できます。(つづく)