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坊主をやめた野球部

 

 

“野球部は坊主頭”

 

そのようなイメージがまだまだ根強い現代社会ですが、本校野球部では、坊主を強制(?)する(謎の)慣習を廃止し、髪型は校則(※)の範囲内で自由としています。

(※校則・・・生徒手帳記載の生徒心得には、「頭髪への加工(パーマネント・染髪等)、特異な髪型は禁止する」とあります。曖昧な表現ですが、現状、ツーブロック・男子の長髪・ストレートパーマ・縮毛矯正は認められています。)

 

さて、どのような経緯で坊主廃止となったのか、3年の小菅キャプテン(以下「小」)に話を伺いました。

 

広報部(以下「広」)「今日はオフなのにありがとうございます。よろしくお願いします」

小「お願いします。うまく答えられるか笑」

広「そもそも坊主は野球部の規則だったのですか?」

小「直接言われたわけではなかったのですが、暗黙の了解という感じでした」

広「坊主廃止のきっかけは何ですか?」

小「コロナ休校明け(2020年6月)に監督・コーチから提案されました。坊主廃止でもいいと思っているが選手はどう思うか、という話でした」

広「意外。で、選手で話し合ってどうでしたか?」

小「基本的に選手は賛成でした」

広「坊主を廃止したことで野球への影響はありましたか?」

小「邪魔な感覚はありますが笑、慣れの問題です」

広「髪型に関して監督から注意は?」

小「奇抜なものはなしと言われています」

広「校則の範囲で、ということ?」

小「そうです」

広「で、あなたはツーブロック」

小「はい」

広「今の自分の髪型は気に入っていますか?」

小「髪質などいろいろ大変です」

広「クラスメイトなど周囲の反応はどうでしたか?」

小「似合ってると言われました」

 

広「せっかくなので、他の事も聞きたいと思います。野球部はどのような環境ですか?」

小「野球部に所属することで、コミュニケーション能力だったり、他人の考えを理解する力が養われて人間として成長できる環境だと思います」

広「キャプテンを務めていますが、キャプテンの仕事は何ですか?」

小「監督と選手のパイプ役です。監督のメッセージをチームに伝えたりします。そしてチームをまとめることです」

広「キャプテンを務める上で大変なことは?」

小「人への配慮やコミュニケーションの訓練という意味では監督の優しさでもあると思いますが、監督の話や指示の内容が難しいことがあるので、それを解釈してチームに伝えることに苦労します」

広「キャプテンをして良かったことは?」

小「自分がチームの顔となったことで、自分自身の行動を見直すきっかけになり、周囲の人からの信頼が増したと感じたことです」

広「いろいろ聞けました。長い時間ありがとうございました」

小「ありがとうございました」

 

監督・コーチからの提案だったというのは意外でした。

これは監督にも会わねば!と思い、飯島監督(以下「飯」)にも話を聞きました。

 

広「坊主廃止を提案した理由は何ですか?」

飯「部員を大人扱いしたい、ということです。自分について考え、自己表現してほしい、そしてその意味をよく考えてほしいという狙いです」

広「所謂『自由と責任』ということですか?」

飯「そうです。イエスマンになってほしくないのです」

広「坊主廃止によって何か変化したことはありますか?」

飯「雰囲気、空気が明るくなったと感じています」

 

監督の意図もまた意外なものでした。

このインタビューから、部員と監督の間には信頼感があると感じました。

野球部は現在、夏の大会に向けて練習に励んでいます。

今後も、野球部を定点観測し、報告していきたいと思います。

最後まで読んでくださりありがとうございました。

 

 

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